牡蠣に含まれる栄養素 vol.5 ~アミノ酸(その1)~

牡蠣は“海のミルク”とも言われ、栄養豊富な食材として知られています。
栄養豊富とは知っていても、どのような栄養素が含まれているかについては知らない方も多いと思います。

様々な栄養素が含まれていますので、見ていきましょう。

今回は、アミノ酸について見ていきましょう!!
含まれるアミノ酸の種類が多いので、今回と次回で半分ずつ紹介します。

はじめから確認したい方は、下記ページをご確認ください!
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.1 ~栄養素に入る前に…~
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.2 ~多量ミネラル~
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.3 ~微量ミネラル~ 
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.4 ~ビタミン~

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④アミノ酸

アミノ酸は、たんぱく質の構成成分であり、自然界には数百種類存在すると言われています。

タウリン
牛の胆汁から発見され、ラテン語で雄牛を意味する(taurus)から名付けられました。
疲労回復や肝臓での解毒を助けますし、自律神経を整えるためにも関わります。

アルギニン
発見時の硝酸塩が銀白色の結晶だったため、ギリシャ語の銀白色を意味する(argypheos)から名付けられました。
成長ホルモンの分泌を促進するため、脂肪燃焼を促す作用があります。

リジン
必須アミノ酸として確認された最初のアミノ酸のひとつ。(現在、必須アミノ酸は9種類。)
免疫抗体やホルモン、酵素の材料になります。
骨など体の組織の修復にも必要です。

ヒスチジン
人体で合成できる唯一の必須アミノ酸。
こどもは合成できませんが、大人になると合成することができます。
ただし、大人でも不足すると障害が現れることが分かったので、1985年から必須アミノ酸に認定されています。
人体の成長に関わります。
体内では分解されて、神経伝達物質のヒスタミンに変化します。

フェニルアラニン
人工甘味料であるアスパルテームの材料です。
筋肉の成長にも関わる神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの材料となります。

チロシン
ギリシャ語のチーズを意味する(tyros)にちなみ、チロシンと名付けられました。
代謝を促進させる甲状腺ホルモン、神経伝達物質のドーパミン、
髪の毛の黒色色素であるメラニンなどがつくられる際に必要です。

ロイシン
チーズの加水分解物から不純な状態で古くに発見されていました。
翌年、グリシンを分離した方法を応用して分離し、ロイシンと名付けられました。
たんぱく質の合成に深く関わり、筋肉の成長や維持に大切なアミノ酸です。

イソロイシン
甜菜糖の糖蜜から見つかりました。
ロイシンとよく似ていて、ロイシンと共に存在するので、たんぱく質中のそれぞれの含量はわかりませんでしたが、分離する手法が確立された後は、両者の定量が容易になりました。
神経の働きを助けたり、筋肉を強化したりします。
さらに、肝機能の向上にも関わる栄養素です。

メチオニン
肝機能の向上にも関わりますし、アレルギーを引き起こすヒスタミンの抑制にも必要とされます。
カツオや乳製品、肉などに多く含まれます。

バリン
はじめて抽出されてから、化学構造が確定しバリンと命名されるまで50年かかっています。
筋肉中で代謝され、筋肉の成長に関わります。
血液中の窒素バランスを調整する働きもあります。
バリンはたんぱく質中に含まれている量は少ないですが、アマニのたんぱく質中には比較的多く含まれると言われています。

~参考書籍~ 
赤堀四郎 金子武夫 成田耕造、タンパク質化学1、共立出版株式会社、1969
吉田企世子 松田早苗、あたらしい栄養学、高橋書店、2010


アミノ酸は体内でつくることが出来ないものと合成できるものに分けられます。

合成できるもの・できないもののどちらにしても様々な働きを持っていますので、日々気をつけて補うことが大切です。

次回は、アミノ酸編(その2 今回の続き)です。

続きはこちら!
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.6 ~アミノ酸 その2~