牡蠣に含まれる栄養素 vol.3 ~微量ミネラル~

牡蠣は“海のミルク”とも言われ、栄養豊富な食材として知られています。
栄養豊富とは知っていても、どのような栄養素が含まれているかについては知らない方も多いと思います。

様々な栄養素が含まれていますので、見ていきましょう。

今回は、ミネラル(微量ミネラル・超微量ミネラル)について見ていきましょう!!

ミネラルは、体の構成成分になったり、機能を調整したりします。

ミネラルは、体内に存在する量から、多量ミネラル・微量ミネラル・超微量ミネラルと分類されています。

はじめから確認したい方は、下記ページをご確認ください!
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.1 ~栄養素に入る前に…~
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.2 ~多量ミネラル~

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②ミネラル(微量ミネラル・超微量ミネラル)

体内にはごくわずかしか存在しませんが、エネルギーの産生や新陳代謝促進など、体内で行われる様々な化学反応に必要なミネラルです。


「不足すると貧血になる」ということは多くの方がご存じの鉄。
古代ギリシアですでに貧血の治療に鉄が用いられていたそうです。

文献に出てくるのは17世紀。
鋼鉄のくずをワインにつけて鉄強壮剤をつくり、貧血患者の治療を行っていました。
たんぱく質と結合し、赤血球中のヘモグロビンなどの形で存在し、全身に酸素を供給する役割を担います。

亜鉛
単体として発見される前から、亜鉛と銅の化合物である真鍮(しんちゅう)として広く利用されていました。
様々な実験や検証が繰り返され、亜鉛が人にとって必須であることが解明されたのは、1960年以降です。
細胞の生まれ変わりやたんぱく質が合成される時に働き、成長や傷の修復に欠かせません。
味覚の維持やインスリンの合成にも必要です。抗酸化作用にも大切!


古くから武器等に使われてはいましたが、栄養上必要なものと解明されたのは、20世紀に入ってからです。
貧血には“鉄”と言われますが、鉄を補給しても治らない貧血も出てきました。
そこで、他に何が関わるのか検証を続けることで、銅の機能性が証明されました。
酵素の成分となり、鉄の利用を促進します。

さらに、鉄がヘモグロビンに合成されるのを助けたり、エネルギーの生成を促したり、活性酸素を除去したりと様々な機能に関わります。

マンガン
古代ローマ時代から存在は知られていましたが、ガラスの添加物として使われていました。
当初、作用はマグネシウムと混同されていましたが、マンガンの濃度の違いを利用した実験を行うことで、成長に関してよい働きがあるものだと判明しました。

その他には抗酸化作用も発揮します。

セレン
アメリカのある地方では土壌に多く含まれ、その植物を食べた家畜が中毒を起こしたことから、毒物だと思われていました。
その後研究を重ね、私たちの体に必須であると判明しました。
抗酸化作用がある酵素の構成成分であり、活性酸素の分解に関わります。

クロム
ステンレスにも含まれていますし、電熱線として有名なニクロム線にももちろん含まれています。
このように生活には密着したミネラルでしたが、生体に必須とわかったのは、ここ50年ほどです。
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを促す材料となり、糖代謝を助けます。

コバルト
空の青色を“コバルトブルー”と呼ぶように、コバルトの化合物は青色をしているため、古くから陶器やガラスの着色に用いられてきました。
銅と同じく、鉄が不足していないのに起こる貧血から、検証を重ね発見されました。
ビタミンB12の構成成分です。

ビタミンB12の成分として赤血球やヘモグロビンの生成時に鉄の吸収を促します。

リチウム
1940年代、動物に投与すると鎮静作用を示したことから、人にも精神病の治療薬として投与。
躁病の鎮静としては効果を発揮。

ただし、毒性があるので、摂りすぎには注意が必要。
葉酸とビタミンB12が体内で使われる際に、必要となります。
いずれかの量が少ないことで、精神面に障害があらわれるとも言われます。

~参考書籍~ 
糸川嘉則、最新ミネラル栄養学、健康産業新聞社、2000
吉田企世子 松田早苗、あたらしい栄養学、高橋書店、2010


知らない名前のミネラルもあったのではないでしょうか?
ミネラルは体内で様々な働きに関わりますが、人間が体内でつくることや摂りだめが出来ません。

気をつけて補いましょう!!

ミネラルに詳しくなったところで、次回は、ビタミンについて見ていきましょう。

続きはこちら!
★牡蠣に含まれる栄養素 vol.4 ~ビタミン~