増量のためにたくさん食べさせるのって?①

昔の話になりつつはありますが…いまだに結構聞く機会も多い、「指導者から毎食〇合のご飯を食べなさい。完食しないと練習させない。」という話、どう思いますか? 

実際、そうした方がよいのでしょうか?

⇒すぐにやめてください!このような食べ方には意味がなく、むしろ身体を大きくさせない、病気を生む可能性があります!

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その① 食べる量には限界がある

今回は2合を例にすると・・・

1合で茶碗2膳分(約350g)なので、毎食4膳分を食べなくてはいけない計算です。
身体の大きさにより異なりますが、食べ過ぎになります。
また、小さい子に大きくなるためにはと話し、食べさせることが多いので、限界を超えることが多く、上手く消化が出来ないことが多いです。

普通のお茶碗サイズで4杯分となります。
例としてお伝えしますと…食べる量の適量が100と仮定します。
100食べた場合、消化吸収が98%だと、吸収量は98です。
本当はこれで十分なのに、無理して多く120食べた場合、きちんと消化吸収できず、消化吸収が60%だと、吸収量は72となります。

消化が出来なければ、もちろん吸収も出来ないので、便となって排泄されてしまうだけになります。
無理やり食べさせられている場合、消化が上手くいかないので、軟便で回数も多くなりがちです。
消化吸収率が悪ければ、食べていても栄養状態が悪くなるので、身体は大きくなりません。

その② いつでも消化ができる訳ではない

食べるといつでも消化がスムーズに進むと多くの方が思っていますが、そんなことはありません。
自律神経(交感神経・副交感神経)の働きで、副交感神経が優位(※)になることで、消化が進みます。
基本的に、食後は副交感神経が優位になるので消化は進みやすくなりますが、すぐに運動を始めると、運動中は、交感神経が優位になるため、消化・吸収が抑制されてしまい、効率よく消化・吸収が進められません。
また、運動時間が長くなると、24時間の中で消化・吸収を効率よく出来る時間が短くなるので、なおさら消化・吸収は上手くいかず、栄養状態が悪くなります。

※優位:そちらの働きが強くなること

指導者の多くが、自身も「毎食〇合めしを食べろ」と言われて育ってきていて、それを乗り切った (胃腸の強さと身体の大きさを持っていた)人である場合が多いので、同じような指導をすることも多くなります(時代は変わりつつありますが…)。
この方法では、胃腸が強く、身体がもともと大きい人しか残れないので、正しい知識を入れ、体格に関係なくスポーツに取り組むことが出来るようにすることも必要です。
もちろん、エネルギー不足によって貧血や疲労骨折が起こることも事実なので、不足しない程度には主食を摂りつつ、バランスよく食べ、栄養素が不足しないようにすることが一番です。


無理して食べるように言われていた記憶はありませんか?
また、無理して量を食べさせるように言っていませんか?

無理して食べると、プラスにならないだけでなく、マイナスになることも…。

次回は、どのような食事にすればよいのかについて見ていきましょう!

続きはこちら!
増量のためにたくさん食べさせるのって?②