『食の方言』についてさまざまなちがいをお伝えしていますが、今回は桃の節句のあれ!
桜餅が東西で異なるのは聞いたことがありましたが、“あれ”のちがいは知りませんでした。
今回は東西のちがいを見ていきましょう~♪

①ひなまつりに食べる“あれ”もちがうんです!
今年はもう終わってしまいましたが、3月3日は桃の節句、ひなまつりですね!
ひなまつりといえば、ひなあられを食べることも多いと思います。
私も昔はよく食べていて、兄弟3人でマヨネーズ味とチョコ味のひなあられを取り合っていました(笑)。
今の私の話に「ん?」と思われた方、主に東日本の方ですよね!
チョコ味に関しては関西でもちょっとレアではありましたが、1袋の中に、【塩辛い味のおかき、甘い味のおかきが入っているのがひなあられ(直径1cmほど)】です。

このようなひなあられになったのは、「涅槃会(ねはんえ):お釈迦様が亡くなられた日に行う法要」の際にお供えする“おかき”が起源といわれています。
この法要の際に、直径1cmほどのおかきに醤油や黒砂糖などで味付けしたお菓子をお供えします。
京都のお菓子屋さんでは、名物として売られているものも。
このおかきが京都を中心に関西に広がり、現代の関西のひなあられにつながっていったのでしょう。
それに対して、関東のひなあられは、【ポン菓子を砂糖でコーティングしたもの】が主流。
関東で育ったという方は、ひなあられといえば、こちらが頭に浮かぶと思います。

関東のひなあられは、江戸時代に売られていた「はぜ」が起源ではないかという説があります。
「はぜ」はもち米を煎って作られます。
米がはぜると稲の花のようになることから、縁起物として重宝され、年賀のお客様に出していたそうです。
縁起物だったので、桃の節句のお菓子にもなったと考えられています。
この2種類以外にも、それぞれの地域に合わせた別のお菓子もありますし、異なる地域もあると思いますが、おおむね東日本が関東のひなあられ、関西を中心に西日本が関西のひなあられとなっているようです。
私は生まれも育ちも関西(京都)なので、スーパーに行っても関東のひなあられを見かけることはないのですが、ポン菓子は好きなので、関東のひなあられも食べてみたいと思い、東京にいる弟に買ってきてもらい食べてみました!
ポン菓子のあまい感じでおいしかったです♪
最後に…
書籍やインターネットで調べただけだと、実際もそうなのかわからないので…
社内でアンケートをとって確認しました!!!
今回、出身地ごとにアンケートをとりましたが、地域によっては人数が少ないため、【東日本】と【西日本】に分けて見てみました。
東日本:北海道~東海
西日本:関西~九州(北陸も含む)
★東日本 回答者数:12名
(1)あなたが“肉”とだけ聞いて思い浮かべるのは…〇肉でしょ!
牛肉:42%
豚肉:50%
鶏肉:8%
(2)あなたが思う“たぬき”はどれ?
関東のたぬき:84%
関西のたぬき:8%
京都のたぬき:8%
(3)あなたが思う“ひなあられ”はどれ?
関東のひなあられ:100%
関西のひなあられ:0%
★西日本 回答者数:21名
(1)あなたが“肉”とだけ聞いて思い浮かべるのは…〇肉でしょ!
牛肉:85%
豚肉:5%
鶏肉:10%
(2)あなたが思う“たぬき”はどれ?
関東のたぬき:24%
関西のたぬき:43%
京都のたぬき:28%
その他:5%
(3)あなたが思う“ひなあられ”はどれ?
関東のひなあられ:5%
関西のひなあられ:95%
大差がないものもありましたが、東日本・西日本ともに、どの質問も①②③で紹介した通りの結果が得られました。
現代では、関東⇔関西は、数時間もあれば行き来ができますし、インターネットを用いれば、日本全国のものが簡単に手に入ります。
それにより、食の地域差がなくなりつつあるとも…。
知らない土地の食を知ったり、自分たちの地域の食を改めて考えてみるのは楽しいし、それが“身近な食育”となります!
地域ごとの食のちがいはまだまだたくさんありますので、みなさんも食について振り返る機会にしてください♪
社内アンケートをとった際に、各地の食についても聞いていますので、またお届けできれば!と考えています♪